電磁波過敏症

電磁波過敏症は、日常生活で遭遇する微弱な電磁波に対して体が過剰に反応し、頭痛やめまい、疲労感、皮膚炎などのさまざまな不調を引き起こす状態です。

この症状は科学的に原因が明確ではなく、診断基準も確立されていませんが、患者は電磁波による影響を強く訴えています。日本国内の正確な患者数は不明ですが、一部の推定では国民の1〜2%、約150万人がこの症状に悩んでいる可能性があるとされています。

放置すると慢性的な頭痛やめまいによる生活の質の低下、精神的ストレスからうつ症状や社会的孤立につながる恐れがあります。また、睡眠不足による免疫力低下や体力減退が進行し、重度の場合には仕事や日常生活が困難になるケースもあります。

一部の患者には化学物質過敏症との合併症が見られ、これがさらに生活への影響を深刻化させています。最悪の場合、症状悪化で外出や社会活動が制限される恐れがあります。

当院の臨床では、電磁波が身体に影響を与える可能性を示す例も確認されています。例えば、スマートフォンを手に持った状態で筋力検査を行うと力が入らなくなることがあります。

一方で、電磁波環境を調整した後には関節の可動域が増したり、体が軽く感じられるなどの改善が見られることがあります。このような現象は、電磁波による電場と磁場の乱れが神経伝達に影響を与えている可能性を示唆しています。

現代社会で、電磁波から全くかけ離れた生活をすることは困難なので、電磁波過敏症について正しい知識を持つことが大切です。やみくもに不安ばかりを募らせるより、正しい知識と適切な対処法を取り入れることで、不調や不安を軽減し、日常生活の質を向上させていきましょう。

電磁波過敏症の原因として考えられるものを以下に詳しく説明していきます。

1. 電磁波への過剰反応
電磁波過敏症の主な特徴は、日常的に存在する微弱な電磁波に対して体が異常に反応することです。
携帯電話基地局、コンピューター、家電製品、送電線などから発生する電磁波が影響を与える可能性があります。特に携帯電話基地局やWi-Fiなどの無線通信機器は、発症要因として頻繁に挙げられています。

2. 生活環境の影響
現代の生活環境では、あらゆる場面で電磁波を放つ電子機器が使用されています。
オール電化住宅や電気自動車などの普及も影響を拡大させており、これらが体調不良を引き起こす可能性があります。また、室内空気質や照明なども間接的に関与していると考えられます。

3. 自律神経の乱れ
ストレスや睡眠不足などによる自律神経系の乱れが、電磁波過敏症の発症リスクを高める可能性があります。
神経系統が敏感になることで、微弱な刺激にも過剰反応する状態になるとされています。

4. 歯科金属による影響
歯の詰め物やかぶせ物として使われている金属（例：金銀パラジウム合金）は、電磁波を集めるアンテナのような働きをすることがあります。
この金属が体内で電磁波を増幅し、不調を引き起こす要因になる可能性があります。
例えば、携帯電話使用時に耳元で金属が電磁波をキャッチし、その影響で頭痛や吐き気などの症状が現れる場合があります。

5. 神経・筋肉への直接的な刺激
高レベルの磁界を浴びると、神経や筋肉への刺激が生じることが科学的に解明されています。
これが慢性的な疲労感や筋肉痛などにつながる可能性があります。
ただし、日常生活で浴びるレベルの電磁波については科学的証拠が不足しています。

6. 血液脳関門への影響
電磁波は血液脳関門に影響を与える可能性があり、この部位の障害によってカルシウムイオンが細胞内に流入し、ミトコンドリア機能障害やDNA変異を引き起こす恐れがあります。このメカニズムは体内の恒常性維持に問題をもたらし、症状悪化につながる可能性があります。

7. 遺伝的要因
一部では遺伝的要因も指摘されています。
特定の遺伝子タイプを持つ人々が環境要因（例：電磁波）に対してより敏感になる可能性があります。
ただし、この分野はまだ研究途上です。

これらの原因は複雑に絡み合い、人それぞれ異なる形で症状が現れることがあります。
正確な診断と適切な対策には、多角的な視点から原因を理解することが重要です。

薬物療法

薬物療法では、頭痛やめまい、不眠などの症状を緩和するために鎮痛薬、抗不安薬、睡眠導入剤などが処方されます。これらは一時的な症状緩和を目的としており、患者の生活の質を向上させることが期待されます。しかし、この方法には長期服用による副作用リスクや依存性の懸念があります。また、薬物療法は根本的な原因解決にはならず、症状を抑えるだけに留まる場合が多いです。

環境改善指導

環境改善指導では、電磁波源（Wi-Fiルーター、携帯電話基地局、電子機器など）から距離を置く生活環境の整備を提案します。具体的には、寝室から電子機器を排除したり、電磁波遮断シートを使用したりする方法が推奨されます。この対策は電磁波の影響を減らすことが目的ですが、大掛かりな変更には経済的負担が伴います。さらに、完全な電磁波遮断は現実的に困難であるため、その効果が限定的である場合もあります。

心理療法

心理療法では、ストレス管理や認知行動療法を通じて精神的な負担を軽減し、自律神経のバランスを整えることを目指します。また、患者が電磁波への恐怖心や不安感を克服するための支援も行われます。この方法は精神面へのアプローチとして有効ですが、効果が現れるまでに時間がかかり即効性には欠けます。また、一部の患者では心理療法だけでは症状改善につながらない場合があります。

歯科治療

歯科治療では、歯科金属（詰め物やインプラント）が電磁波を集めるアンテナのように働く可能性があるため、それらを樹脂やプラスチックなど非金属素材に交換することで症状の改善を図ります。この方法は特定の患者に効果的ですが、金属製詰め物やインプラントの除去には費用がかかるほか、新しい歯科材料による耐久性や適合性の問題が発生する場合があります。また、治療そのものに痛みや不快感が伴うこともデメリットとして挙げられます。

栄養療法

栄養療法では、抗酸化物質（ビタミンCやEなど）の摂取によって体内の酸化ストレスを軽減し、電磁波による影響を緩和することが期待されています。この方法は比較的簡単に取り組める対策ですが、その効果には個人差が大きく、科学的根拠が十分でない場合もあります。また、過剰摂取による健康被害のリスクも懸念されるため注意が必要です。

これらの対処法は症状緩和や生活改善に役立つ可能性がありますが、それぞれに限界やリスクがあるため、患者ごとに適切な方法を選択する必要があります。また、多角的なアプローチ（複数の対処法の組み合わせ）が効果的である場合もあります。

鍼灸や整体は、自律神経や体のゆがみを整え、全身のバランスを取り、痛みや心身の緊張、無意識のストレスを和らげるのに適しています。

薬ばかりに頼りたくない方や、病院以外の改善法を知りたい方は、ぜひお試しください。

病院では、多くの電磁波過敏症の方が頭痛やめまいの薬を処方されて経過観察になってしまうため、根本的な改善は見込めず諦めて放ったらかしになってしまうケースが多いのですが、軽度であれば根本改善は十分可能ですし、重度の場合でも症状の改善・軽減は可能性があるので、諦めないで整体の治療も選択の一つに入れていただければと思います。

さらに、当院の行う電磁波過敏症の治療は、多くの病院のように症状に焦点を合わせての治療は行わず、根本的な改善に向けて身体を整えていきます。

そもそもの原因である体のゆがみを整え、自律神経など神経系の機能を向上させます。また再発しないための姿勢指導から、自律神経を正常に働かせるためのセルフケア指導など、多角的・総合的に行っていくので、相乗効果も高く、電磁波過敏症にとって理想的なアプローチが可能な治療法なのです。

そしてこれまで数多くの電磁波過敏症の患者さんと向き合ってきた当院にご相談いただければ幸いです。

このサイトでは、電磁波過敏症に関する一般的な原因や考え方に加えて、当院が考える原因や根本的な改善法などについて解説していきます。

ぜひ最後まで読み進めていただき、改善のためにお役立ていただければ幸いです。