多汗症（手汗）

発汗を促す交感神経が人よりも興奮しやすいのではないかともいわれていますが、
交感神経が活発に働いていても、異常に汗をかくことがない人も多く、現状ではまだはっきりしたことはわかっておりません。

前述のように、更年期障害や甲状腺機能亢進症などの病気、パーキンソン病などの神経障害、薬の副作用、感染症、悪性リンパ腫など、
特定の疾患の症状の一つとして多汗が見られることはありますが、原因不明の原発性多汗症でお悩みの方が多いのも事実です。

原因がはっきりしていないので、病院での対処も、ボツリヌス注射やアルミニウムローションなどの対症療法に留まっています。

【遺伝的要因】
海外では多汗症患者で60～65％に家族内に同じような症状の人がいた（家族内発症）との報告や、遺伝形式が常染色体優性遺伝が疑われるとの報告があります。

日本では重症の多汗症患者の家族内発症がみられる家系での遺伝子分析で原因遺伝子の存在が示唆されています。

【発症年齢】
幼少児期ないし思春期ころに発症し、手のひら、足のうらは精神的緊張により多量の発汗がみられます。
症状の重い例では、時にしたたり落ちる程の発汗がみられ、手、足は絶えず湿って指先が冷たく、紫色調を帯びていることがあります。

この様な湿った手足はあせもができて表皮がめくれたり、カビや細菌の感染を起こしやすいです。

【時間帯】
昼間（10時～18時）に汗が多いですが、睡眠中の発汗は停止します。
副交感神経優位の時間（睡眠中）の発汗がないことから（寝汗は除く）、自律神経の調節をすることが有効だと考えられます。

原発性多汗症の原因となることは、運動、環境要因、発熱、精神的な緊張、辛いものを食べることなど様々です。

ストレスなどで交感神経が優位になることで起こる多汗症の場合は、生活習慣のいくつかを気をつけるだけで、多量の汗をかくことを防ぐことができる可能性があります。

まず、気をつけることは食生活です。辛い食べ物や酸味の強い食べ物は交感神経の働きを優位にします。
多汗症で悩んでいる場合は、刺激物をたくさん食べることは避けましょう。食事はバランスの良い食事をすることが大切です。アルコール類も飲み過ぎないことです。

喫煙習慣のある人は、禁煙することです。
「煙草を吸うとリラックスできる」という人がいますが、実際にはこれは間違いです。
実は、タバコを吸うと交感神経が緊張します。タバコに含まれるニコチンの働きによって血管は収縮し、血圧は上昇して、脈拍は増加するのです。

なので、日常的に喫煙している人は、常に少し交感神経優位になっているのです。

交感神経を優位にしすぎないためには、リラックスすることが大切です。
ぬるめのお風呂で半身浴や、心拍数を上げ過ぎないウォーキング程度の運動もおすすめです。

緊張状態が続かないように、心も体もリラックスできる時間をつくるようにしましょう。

鍼灸や整体は、自律神経や体のゆがみを整え、神経伝達や血流を改善し、全身のバランスを取り、痛みや心身の緊張、無意識のストレスを和らげるのに適しています。

薬ばかりに頼りたくない方や、病院以外の改善法を知りたい方は、ぜひお試しください。

病院では、多くの多汗症の方が薬を処方されて経過観察か、重症の場合は手術になってしまうため、根本的な改善は見込めず諦めて放ったらかしになってしまうケースが多いのですが、軽度であれば根本改善は十分可能ですし、重度の場合でも症状の改善・軽減は可能性があるので、諦めないで整体の治療も選択の一つに入れていただければと思います。

さらに、当院の行う多汗症の治療は、多くの病院のように症状だけに焦点を合わせての治療とは異なり、根本的な改善に向けて身体を整えていきます。
そもそもの原因である自律神経や姿勢を整え、再発しないための姿勢指導から、自律神経を正常に働かせるためのセルフケア指導など、多角的・総合的に行っていくので、相乗効果も高く、多汗症の方にとって理想的なアプローチが可能な治療法なのです。

そしてこれまで数多くの多汗症の患者さんと向き合ってきた当院にご相談いただければ幸いです。

このサイトでは、多汗症に関する一般的な原因や考え方に加えて、当院が考える原因や根本的な改善法などについて解説していきます。

ぜひ最後まで読み進めていただき、改善のためにお役立ていただければ幸いです。