頚性神経筋症候群（首こり）

【頚性神経筋症候群が起こる原因】

頚性神経筋症候群は、首の筋肉が慢性的に過緊張してしまうことで、首を通っている自律神経系（特に副交感神経）の働きに異常が起こり、様々な症状が引き起こされると考えられています。

首の筋肉の過緊張が引き起こされる原因は、大きく二つあります。

・交通事故や首に衝撃を受ける格闘技や衝突系のスポーツなどの外傷
・首（身体）に負担の大きい生活習慣の積み重ね

特に多くの方の症状が負担の大きい生活習慣によって引き起こされるため、「現代の生活習慣病」とも言えます。

首（身体）に負担のかかる生活習慣の代表的な原因のとして、以下の２つが挙げられます。

・ＰＣやスマホなどの長時間作業
現代生活の中では、パソコンやスマホとの関係は、切っても切り離せないものになっています。
仕事やプライベートを合わせて、睡眠時間以外の多くを「ディスプレイ」を見ながら生活している方も多いでしょう。

ブルーライトやデジタル画面に長時間さらされることで、眼精疲労が起こり、これらが首の過度な筋緊張を引き起こしています。

・PCやスマホの操作時の姿勢
さらに、ＰＣやスマホを操作するときの姿勢が首こり状態に大きな影響を及ぼします。
パソコン作業時に、肩を挙げ、顎を突き出すような姿勢をしていたり、うつむいてスマホを操作している方をよく見かけますが、作業に没頭していると、こういった姿勢になりやすいです。

最近はスマホ首（ストレートネック）とも呼ばれるようにもなりましたが、
特にうつむき姿勢で長時間ゲームをしたり、動画を見たりしている方は、慢性的な首こりになっている可能性があります。

ストレスが原因？

「不定愁訴の原因はストレスだ」というお話をどこかで聞いたことがあるかもしれません。
心理的なストレスや職場環境、人間関係などの様々なストレスが関係していることはほぼ間違いありません。
病院でも、医学的に検査をして原因がはっきりしない時は、「ストレスかも知れないですね。少し様子を見ましょう」と言われることも少なくありません。。

ストレスを受けると心身は緊張します。
これを繰り返し、積み重ねることにより、体の筋肉は過度に緊張し、その緊張を受けて心も緊張した状態が続きます。
特に首の筋肉の過緊張は、頚性神経筋症候群（首こり）の原因となり、自律神経にも大きな影響を与えます。

そのため、「ストレスを減らす」や「リラックスする」という方法も1つの改善策です。
ただし軽度な症状を除き、それだけで辛い症状が改善されることは少なく、その場しのぎになっているのが現状です。

頚性神経筋症候群の症状は慢性的でさまざま

頚性神経筋症候群は、多岐にわたる症状を見てもわかる通り、病院での様々な診療科目、一般内科、循環器内科、消化器内科、耳鼻科、眼科などの症状があります。
このように診療科を問わず症状を認めることが多いのが特徴です。

各臓器の専門の医師にかかっても、検査の結果には異常が見つからず、
症状を和らげるために薬を処方され、薬をやめると症状が再発するという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

重症の方になると、薬を処方されても全然症状が改善しなかった方もいらっしゃいます。
「ストレスが原因」という診断を受け、「抗うつ薬」「抗不安薬」を処方された方もいらっしゃるかもしれません。