エコノミークラス症候群

エコノミークラス症候群は、同じ姿勢で長時間過ごすことで足の血流が悪くなり、足の静脈に血の塊（血栓）ができてしまう病気です。この血栓が体の中を移動して肺の血管を塞ぐと、呼吸困難や胸痛、最悪の場合は命に関わる危険があります。特に旅行や車内、災害時の避難所などで起こりやすいとされています。

厚生労働省や全国調査によると、静脈血栓塞栓症の患者は全国で約2,000人前後と推定されています。毎年新規に発症する患者は成人で約500人程度とされています。また災害時や高齢者・体調不良をきっかけに発症することも報告されており、実数は潜在的に増加傾向にあります。

エコノミークラス症候群は名前の響きから大きな病気と認識されないことがありますが、命にかかわるほど身体に悪影響を及ぼすことがあります。

症状としては足や膝の腫れがあります。特徴的なのは片方のひざ裏だけが腫れて痛むことです。ふくらはぎや太ももに突っ張りを感じることもあります。より重症度が増すと胸の痛みや息苦しさを感じ、失神や呼吸困難を招く場合もあります。

飛行機のエコノミークラスで移動している場合のみに発症することではなく、ビジネスクラスやファーストクラス搭乗時でも起りえます。そして重要なことは飛行機以外で発症することも非常に多く、自動車、電車、オフィスでのデスクワーク等で長時間同じ姿勢をとり続けることが、血の塊である血栓を引き起こすと考えられています。震災や台風の影響で避難所ではなく、自家用車内で避難生活を続ける際に高齢者や女性に多く発症します。

緊急性が高いために上記のような症状が現れた際は迷わずに救急車を呼びましょう。心電図や血中酸素濃度の測定、胸部レントゲン、CTや血液検査により血栓の有無を調べます。

適切な処置が完了後、または深刻な状況下ではない場合でも注意が大切です。体質的に血栓ができやすい場合もあるので、再発しない身体づくりのための生活習慣が重要になります。

予防法としては、
・歩くこと、
・長時間の同じ姿勢を避ける、
・乾燥や脱水が血栓を招くのでこまめな水分補給、
・足首・膝の曲げ伸ばしなどのストレッチ、
・アルコールの過剰摂取を控える、
・ゆったりとした服装や靴、
・睡眠薬や血液凝固を招く薬を予め知っておくこと、などがおすすめです。

症状を放っておくと、下肢のむくみや痛みが慢性化し、血栓が大きくなると肺の血管に詰まって呼吸困難や失神、突然死につながる危険があります。軽いむくみでも、油断せず医療機関を受診することが重要です。再発や重症化のリスクも高い疾患です。

Q1.エコノミークラス症候群は自然に治りますか？
自然に回復することは稀で、無症状でも血栓がある場合は適切な治療が必要です。

Q2.この病気の人はどんなことをやってはいけませんか？
長時間座った姿勢を避ける・こまめに足を動かすことを心がけましょう。

Q3.痛みやむくみ以外の症状も現れますか？
痛み以外にも息苦しさや胸痛、皮膚の色の変化などが現れる場合があります。

Q4.脚の太さや色の変化は片方だけでも要注意ですか？
片脚のみの変化でも要注意、医療機関での診察が重要です。

Q5.完治する病気ですか？再発することはありますか？
治療により症状が消えることもありますが、加齢や体質で再発することがあります。

Q6.どの診療科に相談すべきですか？
主に内科・循環器科を受診してください。場合により外科診療も有効です。

Q7.湿布や痛み止めが効かない場合、どうすれば良いですか？
湿布や鎮痛薬は対症療法なので、根本原因の血栓対策が必要です。

Q8.予防のために普段からできることは？
日頃から水分補給や弾性ストッキング、適度な運動を心がけると予防につながります。

Q9.旅行を続けながらリスクを減らすコツはありますか？
移動中は定期的なストレッチや足首を動かす運動が効果的です。

Q10.むずむず脚症候群とどう違うのですか？
むずむず脚症候群は夜間に脚を動かしたくなる病気で、血栓症とは原因・治療法が異なります。

鍼灸や整体は、自律神経や体のゆがみを整え、全身のバランスを取り、痛みや心身の緊張、無意識のストレスを和らげるのに適しています。

薬ばかりに頼りたくない方や、病院以外の改善法を知りたい方は、ぜひお試しください。

病院では、多くのエコノミークラス症候群が薬を処方されて経過観察になってしまうため、根本的な改善は見込めず諦めて放ったらかしになってしまうケースが多いのですが、軽度であれば根本改善は十分可能ですし、重度の場合でも症状の改善・軽減は可能性があるので、諦めないで整体の治療も選択の一つに入れていただければと思います。

さらに、当院の行うエコノミークラス症候群の治療は、多くの病院のように症状に焦点を合わせての治療は行わず、根本的な改善に向けて身体を整えていきます。
そもそもの原因である体のゆがみを整え、自律神経など神経系の機能を向上させます。また再発しないための姿勢指導から、自律神経を正常に働かせるためのセルフケア指導など、多角的・総合的に行っていくので、相乗効果も高く、エコノミークラス症候群にとって理想的なアプローチが可能な治療法なのです。

そしてこれまで数多くのエコノミークラス症候群の患者さんと向き合ってきた当院にご相談いただければ幸いです。

このサイトでは、エコノミークラス症候群に関する一般的な原因や考え方に加えて、当院が考える原因や根本的な改善法などについて解説していきます。

ぜひ最後まで読み進めていただき、改善のためにお役立ていただければ幸いです。